信託報酬の安い商品は充実しているか。自分が組みたいポートフォリオを構成できる金融商品があるかで考えてみよう。
この記事では、SBI証券で確定拠出年金の口座を開設したときのメリットを紹介するよ。
この記事が対象としている読者
- 確定拠出年金(iDeCo)の口座をどの証券会社に開設しようか迷っている人
- SBI証券の確定拠出年金(iDeCo)の金融商品にはどのような商品があるか知りたい人
- SBI証券の確定拠出年金(iDeCo)の金融商品でどのようなポートフォリオを組めるか知りたい人
目次
SBI証券の確定拠出年金の金融商品の特徴
この記事では、証券会社でも最も人気である会社の一つである、SBI証券で確定拠出年金の口座を開設したときのメリットを見てみましょう。
SBI証券は全体的なバランスが良く、国内中小型のアクティブファンドが充実していることと、割安な商品が各カテゴリに均等に揃っていることが強みです。
SBI証券の運営管理手数料は0円
通常、確定拠出年金の口座を証券会社で開設したときは、加入時・移換時の手数料に加え、加入後に毎月支払う手数料が発生します。
加入時・移換時に発生する手数料
支払先 | 手数料 |
---|---|
国民年金基金連合会 | 2777円 |
SBI証券 | 0円 |
加入後に毎月発生する手数料
支払先 | 手数料 |
---|---|
国民年金基金連合会 | 103円 |
信託銀行 | 64円 |
SBI証券 (運営管理手数料) |
0円 |
上記を見ていただくとわかる通り、国民年金基金連合会や信託銀行向けの手数料はコントロールできませんが、証券会社に支払う手数料は、0円で提供している会社もあるのです。
その一つがSBI証券となっています。
他の証券会社では0円~500円かかる毎月の運営手数料をSBI証券は0円に設定しており、圧倒的にコストを低く確定拠出年金の口座を開設できるようになっています。
ラインナップ豊富
証券会社1社が販売できる確定拠出年金の商品数は、法律で35種類までと決められています。
SBI証券では、確定拠出年金で販売している商品数を限界の35種類まで販売しており、これは他の証券会社にはない特徴です。
人気の国内中小株アクティブ系のひふみ年金やジェイリバイブに投資できる
SBI証券の確定拠出年金の特徴として、人気の国内中小型アクティブファンドであるひふみ年金や、ジェイリバイブに投資できる点があります。
これは、ほかの人気の証券会社、例えば楽天証券では選択できないため、国内株をアクティブ型で構成したい方はSBI証券で確定拠出年金を開設することがメリットになります。
また、ひふみ年金ですが、通常のひふみ投信やひふみプラスと比べて信託報酬が低くお得になっています。
確定拠出年金は拠出金額と売られている商品が限られているという特徴がありますが、余った資産はNISAや通常口座で好きな商品を購入できることから、確定拠出年金の口座では圧倒的に安い商品に一つ拠出し続け、他に欲しいが売られていない商品はNISAや通常口座で購入し調整する戦略がおすすめです。
上記のような理由から、ひふみシリーズでは信託報酬が最安の最安級のひふみ年金が販売されていることはSBI証券の口座を選ぶ最大級のメリットとなります。
国内株式信託報酬が安い投資信託が充実
国内株式については、最安級の投資信託とほぼほぼ互角の商品である、三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドが販売されています。
商品名 | 指標 | 信託報酬 | 信託報酬の安さ | 確定拠出年金での販売有無 |
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | 日経平均 | 0.17172% | 1位 | 無 |
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | TOPIX | 0.17172% | 1位 | 無 |
<購入・換金手数料なし> ニッセイ日経平均インデックスファンド |
日経平均 | 0.17172% | 1位 | 無 |
<購入・換金手数料なし> ニッセイ TOPIXインデックス |
TOPIX | 0.17172% | 1位 | 無 |
三井住友-三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド | TOPIX | 0.1728% | 有(楽天証券/SBI証券) |
外国株式は人気のニッセイ外国株式インデックスファンド
ニッセイ外国株式インデックスファンドは、MSCIコクサイという指標に連動したインデックスファンドです。MSCIコクサイは、MSCI社が定義する先進国の内、日本を除く22カ国の株式で構成されたインデックスファンドであり、各国の大型株・中型株約1300銘柄(時価総額上位85%をカバー)で構成されています。
MSCIコクサイに連動した金融商品は、日本株が除かれているため、海外株は分散投資を行い、国内株式はアクティブファンドや、為替リスクを考慮して日本株を50%保有するなど融通が利くポートフォリオにすることも可能であり、便利となっています。
また、信託報酬ですが、各証券会社が提供している確定拠出年金の中でも最安級です。
商品名 | 指標 | 信託報酬 | 信託報酬の安さ | 確定拠出年金での販売有無 |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | MSCIコクサイ | 0.1183% | 1位 | 無 |
ニッセイ外国株式インデックスファンド | MSCIコクサイ | 0.20412% | 有(SBI証券) | |
たわらノーロード 先進国株式 | MSCIコクサイ | 0.2160% | 有(楽天証券) |
米国株式はi Free NYダウインデックス
SBI証券では、米国市場の大型株を中心とした30銘柄を厳選して投資するi Free NYダウインデックスを販売しています。この商品は米国市場の30銘柄に投資する分散投資する商品ですが、信託報酬が0.243%と、低コストです。
ただ、楽天証券が確定拠出年金で提供している楽天米国株式インデックスファンドには信託報酬・パフォーマンスの点で劣ります。S&P500や上記の楽天VTIのようなより分散が効いた商品のほうが長期でリターンが大きい結果になっています。
楽天証券ですが、米国市場の全銘柄(約3500銘柄)に分散投資するVTIを買い付け運用する楽天米国株式インデックスを提供しています。これは信託報酬が0.1696%と超低コストかつ、米国の株式を幅広く分散して投資するため、長期でリターンが大きく見込める投資が可能となっています。
商品名 | 指標 | 信託報酬 | 信託報酬の安さ | 確定拠出年金での販売有無 |
楽天全米株式インデックスファンド | VTI | 0.1696% | 1位 | 有(楽天証券) |
eMaxis slim米国株式(S&P500) | S&P500 | 0.1728% | 無 | |
iFree NYダウ インデックスファンド |
NYダウ | 0.2160% | 有(SBI証券) |
新興国株式も充実
SBI証券では、新興国株式のインデックスファンドとして、「SBI-EXE-i新興国株式ファンド」という商品を用意しています。
これはインデックスファンドであり、信託報酬が0.3794%と買い付けしやすい信託報酬で販売されています。
ただ、新興国向けインデックスファンドは、確定拠出年金の口座で購入できる会社はありませんが、楽天証券には、楽天・新興国株式インデックス・ファンドという、信託報酬が0.2696%の商品があり、SBI証券にはSBI新興国株式インデックスファンドという、信託報酬が0.1948%程度の商品があります。
そのため、NISA口座で新興国株式を安く買い付ける人が多いと予想され、わざわざ商品が限定されている確定拠出年金で購入する方は少ないと思われるため、気にする分野でもないかもしれません。
商品名 | 指標 | 信託報酬 | 信託報酬の安さ | 確定拠出年金での販売有無 |
SBI新興国株式インデックスファンド | FTSE・エマージング・インデックス | 0.1696% | 1位 | 無 |
eMAXIS Slim新興国株式インデックス | MSCI エマージング・マーケット・インデックス | 0.189% | 無 | |
楽天・新興国株式インデックス・ファンド | VWO(FTSE・エマージング・インデックス) | 0.2696% | 無 | |
SBI-EXE-i新興国株式ファンド | FTSE・エマージング・インデックス | 0.3794% | 有(SBI証券) | |
インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式 | MSCI エマージング・マーケット・インデックス | 0.5940% | 有(楽天証券) |
MSCIエマージング・マーケット・インデックスとFTSE・エマージング・インデックスの違いですが、MSCIには投資対象国に韓国が含まれていることです。
先進国への投資でMSCIをベースに投資を行う場合は、韓国は新興国扱いであるため、MSCIコクサイに連動した投資信託を購入している場合、より分散性を高めたい場合はMSCIエマージング・マーケット・インデックスに連動した商品をポートフォリオに組んだほうが良いかもしれません。
全世界株式ファンドは無し
SBI証券には、全世界株式インデックスファンドに相当する商品はありません。
そのため、海外株式インデックスと国内株式インデックスを組み合わせて運用することになります。
構成できるポートフォリオの例
日本株と米国株式で構成する
日本株と米国株を分散投資する場合、確定拠出年金ではi Free NYダウインデックスファンドに全額拠出を選択するのが良いでしょう。
理由としてですが、先述のように、国内株式に投資する場合、業界で最安のインデックスファンドを選択できないというデメリットがあり、わざわざ確定拠出年金で買い付けするメリットがないからです。
SBI証券の確定拠出年金では、という米国市場に投資するうえでは最安の投資信託が販売されています。
以下のように買い付けすると信託報酬が安くなる!!
- 確定拠出年金はi Free NYダウインデックスファンド
- 国内株式は通常口座でeMAXIS Slim 国内株式の国内株式ファンド
日本株と海外株式で構成する
国内株式と海外株式を分散投資する場合、海外株式で信託報酬が安いのはeMaxis slim先進国株式インデックスですが、信託報酬は0.1183%です。
一方、SBI証券の確定拠出年金で購入すると、ニッセイ外国株式インデックスファンドを購入することになります。この場合、信託報酬が0.20412%と、少し高くなってしまいます。
そのため、確定拠出年金は国内株式を購入するのはアリかもしれませんが、思い出してください。
確定拠出年金は運用益が非課税になります。
歴史的に、海外株式インデックスファンドのほうがパフォーマンスは高かったため、多少の信託報酬の差よりも、運用益と節税を狙いに海外株式を購入すべきと思います。
以下のように買い付けすることで運用益の節税を狙う!!
- 確定拠出年金はニッセイ外国株式インデックスファンド
- 通常口座で他に購入したい投資信託を購入する
日本株を中小型アクティブファンドで構成する
SBI証券では、国内中小型アクティブファンドであるひふみ年金やジェイリバイブに投資することができます。
そのため、SBI証券で確定拠出年金の口座を開設する目的として、国内中小型アクティブファンドに投資して、非課税枠を思い切ってリスクをとって大きく運用益を狙いたい方もいると思います。
そんな方は、国内株式インデックスファンドを買い付ける代わりに、国内中小型アクティブファンドを購入する構成にすることが可能です。
以下のように買い付けすることで運用益の節税を狙う!!
- 確定拠出年金はひふみ年金やジェイリバイブ
- 通常口座で海外株式インデックスファンドを購入する
まとめ
この記事では、SBI証券で確定拠出年金の口座を開設したときのメリットやおすすめの投資信託を紹介し、構成できるおすすめのポートフォリオを紹介してみました。
確定拠出年金は、拠出額に制限があることと、販売されている商品に限りがあることから、投資したいと考えている最も割安な投資信託に投資し、残りの資産はNISAや通常の口座で買い付けることでポートフォリオを構成することがおすすめです。
当ブログがおすすめしている投資手法は、主に海外株式をメインとした投資です。
SBI証券は、全体的に最安級の投資信託が多く、特に国内中小型のアクティブファンドの商品が充実していることが特徴です。もちろんMSCIコクサイ連動の海外株式インデックスファンドや国内インデックスファンドも低コストでおすすめとなっています。
上記の理由から、確定拠出年金の口座としては最もおすすめできる口座のうちの一つであることをわかっていただけたと思います。
ではまた。
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