SIerの業界研究・市場状況

SIerとWeb業界の違いと、SIer(システム技術者)はなぜプログラミングが出来なくなったかを解説します。

みぽりん

ぴなもと、SIerで働いてたよね?
TwitterでSIerとWeb系は全然違うとか言ってるけど、そうなの?

ぴなもと

うん、外から見てる人にとっては違いがわからないかもしれないけど、現実は全く違う業界と思った方がいいね。

みぽりん

そうなんだ!
ちなみに、プログラミングを学ぶと稼げるって聞くけど、私もエンジニアみたいに学んだ方が良いの?

ぴなもと

それについては今回は、学ばなくて良いと言っておこう。笑
あとで補足するね。

この記事の対象としている読者

  • IT業界の業界動向を知りたい人
  • SIerとWeb系の違いを知りたい人
  • SIerがプログラミングが出来なくなった背景を知りたい人

転職活動前に準備すべき本

SIer(システム技術者)とWeb系のエンジニアの違い

SIer(システム技術者)とWeb系でなぜここまで異なるのでしょうか?
SIerで異なる特徴を比較してみます。

SIer Web系
立場 受託会社 事業会社
開発規模 大きい 小さい
強み 納期・設計・関係者調整能力の高さ アイデアと速さ
インフラ オンプレ,開発と運用完全分離 クラウド、DevOps
アプリケーション言語 Java,.NET等 Ruby,Python,PHP
予算実績管理 人月(労働集約型。きまった期日までに決まった成果物を納める) 成果(成果報酬型。作ったサービスがどれだけ売上につながったか)

このように、SIerとWeb系では大きく異なるところがあります。
それは、受託会社か事業会社かという点です。

SIerの場合、事業会社からシステム開発案件を受注し、案件に関する設計を行ない、成果物を納品すると、対価をもらうことができます。
事業会社によって要求されたシステムの要件定義を行い、その通りにシステムを納品さえすれば、そのシステムによって事業会社の業務がどれだけ利益に繋がったかについて、SIerには問われませんでした
つまり、そのシステムを開発することに価値があるかどうかは考えてこなかったのです。

一方、Web系は、成果物は自社のサービスとして使用するため、決まった期日までに成果物を納品するかどうかよりも、価値のある成果物を早く作ることができるかということが問われます。
SIerの場合でしたら、期日までに成果物を確実に納品しなければいけないため、進捗管理や調整能力、設計の確実さが求められました。
Web系の場合は、仕様をあいまいにする代わりに、早く成果物をフィードバックし、その成果を用いて自社で事業を展開するハイリスクな戦略を取ることで、成功したときは青天井式に売上が跳ね上がることが可能になりました。

上記のような理由から、SIerに求められることは、確実に成果物を納品できるようにリスクコントロールできること(それ自体に価値があるかどうかではない)であり、Web系に求められることは、高い価値を持つ成果物という棲み分けになっていきました。

そうなったときに、SIerは、納品物さえ届けられれば、レガシーなシステムや不要なシステム案件でも納品することもあるし、Web系は、ハイリスクを請負う代わりに、モダンな技術を用いてとにかくクリエイティブで価値の高い成果物を世に展開するような流れになっていきました。

SIer:決められた成果物を確実に納品する仕事
Web系:世の中に価値を提供できる成果物を作る仕事

なぜSIの業界モデルは凋落していったのか

事業会社は情報システムを必須としている

各事業会社は、各会社が持つ事業を効率化するために、情報システムを利用してきました。
つまり、事業を行う裏でシステムがその業務を効率化する役割を果たしました。

  • 生産管理システム
  • 販売管理システム
  • 購買管理システム
  • 在庫管理システム
  • 会計システム
  • 人事給与システム

ただ、そのシステムは売上を上げるためのシステムではなく、業務を効率化(コスト削減)するためのシステムでした。

製造業はITエンジニアを社内に抱えない

売上に直結しないシステムの開発に、プロパーの戦力は配置しません。
そのため、間接部門に情報システム部門を作成し、そこでは、ミスなくシステムを構築し、運用することが役目となります。
ちなみにそこで働くエンジニアが、事業会社の社内SEと呼ばれています。

この社内SEは、事業を経験した人が配属されますが、ITの知識は持っていません
そのため、ITを専門知識を持つ受託会社に外注する必要が出てきました。

そこで、SIerが役目を果たすことになります。
現状、日本の事業会社の中にエンジニアは3割、受託会社には7割在籍していると言われています。
アメリカはほとんどのエンジニアが事業会社に在籍しているにもかかわらずです。

製造業で成功した日本

日本という国は、大きく製造業の分野で成功してきました。
そして、かつては日本の大企業はトヨタやソニー、パナソニックなど、製造業の躍進により大きな経済成長を遂げました。

それに対し、ヨーロッパは研究に優れ、アメリカはビジネスで優れていると言われています。

各国の得意領域

  • 日本:製造業
  • ヨーロッパ:科学技術研究
  • アメリカ:ビジネス

日本のITは、ものつくりのプロセスで進んでいきました。
とにかく技術はアメリカを真似しましたが、品質の高い生産物を、納期通りに納めることを美とします
これが日本の製造業の強みでした。

日本のSIerは、まさにこのものづくり精神から組織が形成されているのです。

受託会社で価値を提供しているコンサル

一方、コンサルティング業界は、事業会社に高い価値を提供しています。
それは、事業策定など、売上に直結する部分を支援することで、報酬を得るからです。
労働集約型ですが、上流に位置するため、高い単価の仕事となっています。
事業会社が売上を上げるためには解決策はなんでもかまいません。

ITを用いた場合は、ITコンサルティングという狭い領域で課題解決を検討します。
そこで提案されたシステムは、システムインテグレーションにアウトソーシングされます。
上流でシステム要件は定義されてしまっているため、決められたシステムを納品するだけが、SIerの仕事となってしまい、単価が下がります。

プログラミングも投げ捨ててしまったSIer

上記のような流れがあり、価値を提供することでなく、決められた成果物を納められればそれで良いといった慣習が根付いてしまったエンジニアにとって、納品するシステムはレガシーだろうがモダンだろうが、価値があろうがなかろうが関係ありません。
こうして、唯一付加価値の出せるプログラミング技術という手段も、どんなに価値を出せてもお客さんの納品物となり報酬も変わらないため投げ捨ててしまいます。
こうして、2次、3次と下請けに外注してしまうのです。

おまけ:ブロガーはプログラミング学んだ方が良い?

ブロガーは、プログラミングを学んだ方が良いという意見があります。
これについては、先ほどのWeb業界と同様、プログラミングを学ぶことで、自分を資本財とすることができ、成功すれば青天井式に報酬を手に入れることができるため、手段としては学ぶ価値はあります。

それに、ブログでよく使われるWordpressはクラウド型のサービスとして提供されているし、ドメインの取得などもITの知識が必要です。
さらに、直接コードを修正することでデザインも変更できプラグインも作成できるため、学ぶ価値はありますが、結論から言うと必須ではありません
なぜかというと、デザインは有料のテーマを購入できますし、コンテンツは記事の執筆や、アフィリエイトを用いれば、代わりの商品を売買することが可能であるためです。

転職活動前に準備すべき本

まとめ

今回は、Web系とSIerの違いについてまとめてみました。
SI業界が廃れたのは、SIerが受託会社であり事業の責任を取らない立場にあったことと、ITをコスト削減として使用してシステムを事業に展開しなかった事業会社両方の責任にあるとも言えます。
一方、そのジレンマをくぐり抜けて、小さく実行して、インターネットの普及とともに成功してきたのがWeb系とも言えるでしょう。
こうして、SIerは技術もなくなり、廃れていきましたとさ。

 

ABOUT ME
ぴなもと
ぴなもと
神奈川在住のアラサー世代。 理系大学院を卒業し、SI業界のソフトパッケージ開発職として入社する。 SI業界に嫌気が差し、生活そのものを変えるために、ミニマリストというスタイルにたどり着く。 会社に縛られず、フリーランスのような、自由で自律した生活を好む。 みぽりんと合わせたら、世帯年収は1000万を超える。
倍率100倍の社内SEに入社してぴなもとが、ホワイト企業で働く方法を教えます!!

エンジニアの転職希望者の7割が転職を希望すると言われる社内SE。。。

何も実力もないぴなもとが、倍率100倍の超難関有名ホワイト企業に内定を獲得し、転職を決めた方法、知りたくないですか?

社内SEへの転職は非常にテクニック的な要素が強く、内定をうまく獲得できなければ、
高倍率の沼にハマり、転職活動が長期化してしまうリスクも大きいです。

また、会社により様々な社風がある事業会社を受けるのですから、安易に社内SEに行けばホワイトとも言えないのが危険なところであり、

そんなぴなもとが、倍率100倍の競合から勝ち取った戦略的テクニックを以下で解説していています。是非一度手に取ってみてください。